平成20年度 発掘調査情報
   
遺跡名 馬場南遺跡
所在地 木津川市木津糠田
調査期間

2008/04/19~ 2009/02/19

調査面積 2,000㎡
調査原因 土地区画整備
主な遺構 古代:掘立柱建物跡・井戸
主な遺物 弥生:弥生土器・石器
古代:須恵器・土師器・三彩陶器・軒瓦・銭貨
   
 
 
馬場南遺跡は、京都府木津川市木津糠田に所在し、木津川市は京都府の南端にあり、奈良県と接しています。木津川は、平城京へ物資を運ぶ水運として利用され、奈良時代の木津には全国からの物資が集められていました。
 
遺跡は、小さな谷と丘陵からなっています。谷部や丘陵上に作られた小さな平坦面では掘立柱建物跡3棟、柵跡、井戸跡の建物跡が見つかりました。谷部では、幅4~5m、深さ1~2mの川跡があり、8,000枚以上の灯明皿のほか、多種多様な遺物が出土しました。
 
出土遺物には、土師器(皿、坏、甕など)、須恵器(坏、皿、壺、鉢、平瓶、円面硯、鼓胴など)、奈良三彩や緑釉の施釉陶器片約100点(壺、香炉、山水様の造形品ほか)、墨書土器約100点、建築部材をはじめとした木製品、万葉の歌木簡1点をふくめ木簡5点、軒丸・軒平瓦約40点などがあります。
 

これらのうち、「阿支波支乃之多波毛美智カ」(以下欠損)と書かれた万葉歌木簡や「神雄寺」「黄葉」といった墨書、山水を表現した彩釉陶器などが注目を集め、2009年1月17日の現地説明会には1,300人以上の考古学ファンが現地を見学しました。