平成20年度 発掘調査情報
   
遺跡名 長岡京跡右京第937次・伊賀寺遺跡
所在地 長岡京市下海印寺上内田
調査期間

2008/06/17~10/08

調査面積 1,200㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 古墳:土坑・溝・流路
主な遺物 弥生:石包丁・石斧
古墳:土師器・須恵器
中世:瓦器・土師器
   
 
 
京都第2外環状道路の建設に伴い、2地区に分けて調査を実施しました(上が西;上から1トレンチ、2トレンチ)。周辺の調査では、弥生時代末~古墳時代初頭の竪穴式住居跡や土坑、古墳時代初頭~後期の溝が見つかっています。今回の調査では、古墳時代中期~後期の土坑群・流路のほか、中世の素掘り溝等を検出しました。
 
1・2トレンチでは、それぞれ、古墳時代中頭~後期にかけての流路跡が見つかりました。1トレンチの北壁・東壁に沿ってL字状に屈曲し、2トレンチでは北西から南西に向けてほぼ直線的に流れます(写真は1トレンチ流路内堆積土層:北から)
 
この流路は、幅4~5mをはかり、流路内からは弥生土器片や縄文土器片が出土しています(写真は2トレンチでの検出状況:北から)。今回の調査地の北西に位置する微高地上に、同時期の集落が位置しているものと思われます。
 
1トレンチの中央では、落ち込みSX1009を検出しました。17.4m×6mの不整形で、深さ30~40cmで、内部からは古墳時代中期~後期にかけての須恵器杯身・杯蓋・甕、土師器直口壺・高杯などが出土しました。完形品を含み、土師器壺などが直立して出土したことから、水辺の祭祀に関わる遺構の可能性もあります。