平成20年度 発掘調査情報
   
遺跡名 室橋遺跡
所在地 南丹市八木町室橋
調査期間

2008/12/03~ 2009/02/25

調査面積 1,200㎡
調査原因 道路建設
主な遺構 古墳:竪穴式住居跡
古代:用水路
主な遺物 弥生:弥生土器
古墳:須恵器・土師器
古代:須恵器・土師器
中世:瓦器・土師器・陶磁器
   
 
 
室橋遺跡は、亀岡盆地の北端に位置し、南北約800m、東西約300mにわたって広がる複合集落遺跡で、過去の調査では、灌漑用水とみられる溝群は遺跡の各所で確認されています。
 
今回の調査では、4か所で調査を実施し、奈良時代~平安時代後期にかけての灌漑用水路を検出しました。1区では平安時代後期~末期の灌漑用水と考えられる溝の一部を新庄用水の下層で検出しました。
 
このうち4区では、幅約5~6m、深さ約2.3m、断面形は台形をなす大溝を検出しました。この溝は、少量の出土遺物から弥生時代後期~古墳時代初頭に掘削された可能性もありますが、詳細な時期については今後の検討課題です。
 
今日でも利用されている新庄用水は、文治4(1188)年に高雄神護寺の高僧文覚が開削したとする伝承を残す灌漑用水で、今回の1区で検出した平安時代の溝群の検出は、当地域の荘園開発や歴史的変遷を明らかにする資料として注目されます。