遺跡ギャラリー

No.021 平山城跡

 

竪堀を畝状に作ることにより、斜面での横方向の移動が難しくなり投石などの攻撃を受けやすくなります。
畝状竪堀を上から見下ろすと、堀が急傾斜であることがわかります。
竪堀を登ってきた敵を足止めするための横堀です。
土塁上から見た平坦地の状況です。掘立柱建物や礎石建物の跡がよく残っています。
 
名 称

平山城跡(ひらやまじょうあと)

時 代
戦国時代(16世紀後半)
調査年
1986・1987
所在地
京都府綾部市七百石町
コメント
 斜面に縦方向の堀を14条連続して掘った畝状竪堀(うねじょうたてぼり)群が見つかりました。これは敵が横方向に展開して攻撃してくるのを防ぐためのもので、比較的緩い斜面に設けられます。
 この時期の山城は、戦の時に使われることが多く、日常生活は麓の館で営まれたと考えられています。しかし平山城跡では、食器として使われたと考えられる国産陶器や中国製磁器などが多数出土しており、日常生活が営まれていたとみられます。また、生活空間から一段高く狭い平坦地に倉と考えられる礫敷きの礎石建物が見つかっています。後の天守の祖形のような建物かもしれません。
備 考
『京都府遺跡調査報告書』第14冊 1990